ARTIST 瀬川英史 -EISHI SEGAWA- 岩手県盛岡市生まれ。 1986年CM音楽の作曲家として活動開始、現在までに2500本以上のCM音楽を手掛ける。アメリカ、フランス、イギリス、インド、ブルガリア等海外録音の経験も多数。 サウンド&レコーディングマガジン誌に「CM音楽の作り方」(現在終了)という連載や、「コンポーザーが教える作曲テクニック99」等の執筆活動にも積極的に取り組む。近年は劇伴作曲家としての活動の場を広げている。2012年、サウンドトラックを担当したフランス短編映画「Le Dernier Jour de l’Hiver」がフランス国立映画祭イエール・レ・パルミエで最高音楽賞受賞。
阿部智里の人気和風ファンタジー小説「八咫烏シリーズ」(文春文庫)原作のTVアニメ「烏は主を選ばない」。
トラックリストサントラ第2弾は、第14話から第20話の音楽を収録。美しい映像と色彩豊かな音楽が見事にシンクロする。
原作は、第9回吉川英治文庫賞を受賞した阿部智里による人気和風ファンタジー小説「八咫烏(やたがらす)シリーズ」(文春文庫)。
波乱の后選びが終了し、若宮のもとを去った雪哉。平和に暮らす彼の前に、一羽の烏が舞い降りて…。新章『黄金の烏』編は、八咫烏(やたがらす)の一族が住まう異世界・山内に、新たな脅威が迫る――。
監督は「東京喰種トーキョーグール」や「ゆるキャン△」の京極義昭。そして音楽を担当するのは、実写映画「銀魂」シリーズ 「今日から俺は?劇場版」「新解釈・三國志」「ブラックナイトパレード」「Gメン」などを手がける瀬川英史。
ARTIST
瀬川英史 -EISHI SEGAWA-
岩手県盛岡市生まれ。 1986年CM音楽の作曲家として活動開始、現在までに2500本以上のCM音楽を手掛ける。アメリカ、フランス、イギリス、インド、ブルガリア等海外録音の経験も多数。
サウンド&レコーディングマガジン誌に「CM音楽の作り方」(現在終了)という連載や、「コンポーザーが教える作曲テクニック99」等の執筆活動にも積極的に取り組む。近年は劇伴作曲家としての活動の場を広げている。2012年、サウンドトラックを担当したフランス短編映画「Le Dernier Jour de l’Hiver」がフランス国立映画祭イエール・レ・パルミエで最高音楽賞受賞。
COMMENT
「この作品のため、各話ごとに音楽を書き下ろすことを決めたのは、2022年の11月にアニメ制作陣と打ち合わせをした時だった。かねてよりアメリカのTVシリーズに倣い、作曲家が中心となってスポッティング(どこに音楽を置くかを決める作業)を行い、週ごとに演出家やプロデューサーとの対話を重ねながら作曲を進める、そんな機会があればと願っていた。そして同時に、これまで数えるほどしかアニメ作品に携わったことのない僕にとって、アニメ制作全体にも強い興味があった。
実際のアフレコが始まる遥か以前、すなわちアニメーションが動き出す前に、脚本をもとに作曲を始めた。それらは2分に満たない短い曲であったが、40曲ほど書いてみた。それを制作陣に聴いていただき、所見を得て、徐々に全体の世界観を掴んでいった……つもりだった。しかし、全ての制作が終わった後、その中から実際に本編に使われたのはわずか2曲に過ぎない。
その理由は文字で読んだ原作や脚本から受けた思致と、演出家が描いた絵コンテから受け取った興趣が、僕の中で多少なりとも異なっていたからだと思う。「思う」と曖昧に表現したのは、実は作曲作業中にそれほど理屈を立てて思考しているわけではなく、むしろ自分の身体の反応に委ねている感覚に近い。受け取る情報が異なれば、そこから生み出されるものもまた変わってくる。
ご存知の視聴者も多いかと思うが、テレビアニメ作品はエピソードごとに担当の演出家が異なる。この作品に於いては8名の強者演出家がおり、それぞれが2、3エピソードを担当して全20話を構成している。全体の作業を通じて僕自身が興味深かったのは、それぞれの演出家の演出の機微が異なり、それに応じて僕の音楽に対する反応も変化したことであった。
さて、この20話の制作期間で僕が最も苦労したのは、スタッフ間で共有される白黒の「Vコン」から、作品の「色彩」を掴み取ることだった。手書きのコンテがどのようにキャラクターデザインと組み合わされるのか、背景デザインはどの様に決定されて行くのか、色彩設計の古性氏が四姫の着物にどのような彩りを与え、またその構想の枠組みはどのように設計されるのか。その現場を制作陣の計らいで何度か見学させていただき、理解を深めていった。その機会は「演出を積極的に裏で支える音楽」を書く上で非常に有意義な時間であったのは言を俟たない。
その理解が新たな経験となり音楽を描く大きな手助けとなった。改めてすべてのスタッフの皆様に心から感謝します。」(音楽:瀬川英史)
01. 油断をするな
02. 大猿
03. 梅の収穫
04. 治平
05. 禁断の薬
06. 気付け薬
07. 真実
08. 宴の跡
09. 鵄
10. 藤の矢
11. ろくでなし
12. 朔王
13. おかえり、雪哉
14. 結界の綻び
15. 地下街随行
16. 地下街の王
17. 信頼
18. 手がかりの白いかけら
19. こいつら猿だ
20. 出口へ
21. 山内の外敵
22. 白檀と桂皮
23. 山内の崩壊
24. 治平の懺悔
25. 老猿
26. 小梅
27. 初音
28. お父さん
29. 仙人蓋
30. 返事をしろ
31. 許してあげる
32. 金烏の定
33. 崩壊を食い止める力
34. 最良の選択~近習リプライズ