ラウレンティス製作による、ユダヤ人の盗賊バラバの波瀾に満ちた半生を描いた歴史スペクタクル大作のサウンドトラック!スウェーデンのノーベル賞作家ペール・ラーゲルクヴィストの原作で、実に内省的ムードの濃い、フライシャーの正攻かつ心理描写のダイナミズム光る傑作。 凶悪な盗賊の親玉バラバは罪人として獄中の身にあった。そんな彼はある日、罪人を一人裁く代わりにもう一人の罪人を釈放する、という年に一度のユダヤ民衆の慣習によってイエスが刑に処されたことから、幸運にも釈放されることになった。棲み家に戻ると愛人(出番は少ないが印象的なマンガーノ)は既に信仰に目覚め、彼に改心するよう悟すが、受けつけぬバラバはキリストを罵る。やがて、奴隷戦士としてかき集められ、ローマの貴族を前に闘いを強いられたバラバは、戦士の中の信徒を殺せない。そして重労働を課された鉱山で火山の大爆発(この場面の迫力も凄まじい)に遭うが、奇跡的に助かる。自分にまといつく運命の崇高な力に徐々に気づき始めるバラバだが、生来の反骨者ゆえ、“選ばれし者”という真実を認めようとしない…。
1. Main Theme 2. The Whipping of Christ 3. Eclipse 4. The Tomb 5. Intermezzo 6. The Mines7. Arrival in Rome8. Rome Afire9. The death of Barabbas10. Musical Examples : Narr. by Chuck Bruce----------------------------------------------------------------------------------[[カスタマーズ・レビュー]]1962年ディノ・デ・ラウレンティスのプロディースのもとに製作されたスペクタクル映画。題名どおり、キリストの代わりに釈放されたバラバの物語。新約聖書では、たしかバラバはキリストの処刑に突然出てくる人物だったと記憶している。それ以外にほとんど新約聖書では、バラバ関して記述がなかったとはず。 解説になるが、映画バラバは、小説「バラバ」1950年 ペール・ラーゲルクヴィスト著 尾崎義 (訳) 岩波文庫を原作にして映画が製作された。撮影は、「ベン・ハー」と同じくイタリアのチネチッタ映画スタジオ。監督は、リチャード・フライシャー、脚本は、ディエゴ・ファッブリ、クリストファー・フライ。出演は、アンソニー・クイン、ジャック・パランス、アーサー・ケネディ、アーネスト・ボーグナイン、シルヴァーナ ・ マンガーノ、ヴィットリオ・ガスマン。音楽は、マリオ・ナシンベーネ ラーゲルクヴィストは、新約聖書にほとんど記述がないバラバのことを想像力を膨らませ小説を書いたという。人間心理が細やかに描かれていて、素晴らしい小説だったことを覚えている。この小説と映画で描かれるバラバは、自分の代わりに処刑されたイエスのことが頭を離れず苦悩する。なぜ、善人が処刑され、悪人である自分が生き残ったのか?また、自分が生き残った目的とは何か?を問い続けるのだ。 さて、音楽だが。マリオ・ナシンベーネはこの映画の音楽を付けることに斬新な挑戦をしている。当時では珍しかった、電子音を導入した。最も強烈なのが、最初のメイン・タイトルの序奏。電子音が鳴り響き、女性コーラスともいえぬ女性の悲鳴から始まる。次に、低弦がバラバのテーマを重圧にスローテンポで演奏する。劇中音楽は、電子音を基本とし、おごそかにバラバのテーマを男性コーラスとオーケストラで演奏する。その上に重い打楽器の音が入る。実に重々しく暗い。しかし、対照的にメロディーラインは美しい。舞踏音楽もあり、効果を狙う音楽もありで変化に富んでいる。アルバム全体の音楽は、重厚そのもの。暗いイメージはあるが、各楽曲メロディーラインは美しいので充実している。隠れた名盤であり、ナシンベーネの傑作スコアである。 この名盤が復活したことは、サントラコレクターとして喜びにたえない。このアルバム以前に2度CD化されたことはあったが、「アレキサンダー大王」とのカップリングのため数曲カットされいた。(たしかラストの音楽は、アンソニー・クインのセリフが入っていたはず。)今回は、30年前にコロムビアから発売されたLPレコードと同じもの。フィイルム・スコアではないが、まさに貴重な復刻である。マリオ・ナシンベーネの傑作スコアを堪能してもらいたい!By ボーマン
ラウレンティス製作による、ユダヤ人の盗賊バラバの波瀾に満ちた半生を描いた歴史スペクタクル大作のサウンドトラック!スウェーデンのノーベル賞作家ペール・ラーゲルクヴィストの原作で、実に内省的ムードの濃い、フライシャーの正攻かつ心理描写のダイナミズム光る傑作。
トラックリスト凶悪な盗賊の親玉バラバは罪人として獄中の身にあった。そんな彼はある日、罪人を一人裁く代わりにもう一人の罪人を釈放する、という年に一度のユダヤ民衆の慣習によってイエスが刑に処されたことから、幸運にも釈放されることになった。棲み家に戻ると愛人(出番は少ないが印象的なマンガーノ)は既に信仰に目覚め、彼に改心するよう悟すが、受けつけぬバラバはキリストを罵る。やがて、奴隷戦士としてかき集められ、ローマの貴族を前に闘いを強いられたバラバは、戦士の中の信徒を殺せない。そして重労働を課された鉱山で火山の大爆発(この場面の迫力も凄まじい)に遭うが、奇跡的に助かる。自分にまといつく運命の崇高な力に徐々に気づき始めるバラバだが、生来の反骨者ゆえ、“選ばれし者”という真実を認めようとしない…。
1. Main Theme
2. The Whipping of Christ
3. Eclipse
4. The Tomb
5. Intermezzo
6. The Mines
7. Arrival in Rome
8. Rome Afire
9. The death of Barabbas
10. Musical Examples : Narr. by Chuck Bruce
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[[カスタマーズ・レビュー]]
1962年ディノ・デ・ラウレンティスのプロディースのもとに製作されたスペクタクル映画。題名どおり、キリストの代わりに釈放されたバラバの物語。新約聖書では、たしかバラバはキリストの処刑に突然出てくる人物だったと記憶している。それ以外にほとんど新約聖書では、バラバ関して記述がなかったとはず。
解説になるが、映画バラバは、小説「バラバ」1950年 ペール・ラーゲルクヴィスト著 尾崎義 (訳) 岩波文庫を原作にして映画が製作された。撮影は、「ベン・ハー」と同じくイタリアのチネチッタ映画スタジオ。監督は、リチャード・フライシャー、脚本は、ディエゴ・ファッブリ、クリストファー・フライ。出演は、アンソニー・クイン、ジャック・パランス、アーサー・ケネディ、アーネスト・ボーグナイン、シルヴァーナ ・ マンガーノ、ヴィットリオ・ガスマン。音楽は、マリオ・ナシンベーネ
ラーゲルクヴィストは、新約聖書にほとんど記述がないバラバのことを想像力を膨らませ小説を書いたという。人間心理が細やかに描かれていて、素晴らしい小説だったことを覚えている。この小説と映画で描かれるバラバは、自分の代わりに処刑されたイエスのことが頭を離れず苦悩する。なぜ、善人が処刑され、悪人である自分が生き残ったのか?
また、自分が生き残った目的とは何か?を問い続けるのだ。
さて、音楽だが。マリオ・ナシンベーネはこの映画の音楽を付けることに斬新な挑戦をしている。当時では珍しかった、電子音を導入した。最も強烈なのが、最初のメイン・タイトルの序奏。電子音が鳴り響き、女性コーラスともいえぬ女性の悲鳴から始まる。次に、低弦がバラバのテーマを重圧にスローテンポで演奏する。劇中音楽は、電子音を基本とし、おごそかにバラバのテーマを男性コーラスとオーケストラで演奏する。その上に重い打楽器の音が入る。実に重々しく暗い。しかし、対照的にメロディーラインは美しい。舞踏音楽もあり、効果を狙う音楽もありで変化に富んでいる。
アルバム全体の音楽は、重厚そのもの。暗いイメージはあるが、各楽曲メロディーラインは美しいので充実している。隠れた名盤であり、ナシンベーネの傑作スコアである。
この名盤が復活したことは、サントラコレクターとして喜びにたえない。このアルバム以前に2度CD化されたことはあったが、「アレキサンダー大王」とのカップリングのため数曲カットされいた。(たしかラストの音楽は、アンソニー・クインのセリフが入っていたはず。)今回は、30年前にコロムビアから発売されたLPレコードと同じもの。フィイルム・スコアではないが、まさに貴重な復刻である。
マリオ・ナシンベーネの傑作スコアを堪能してもらいたい!
By ボーマン