現代音楽シーンで最も想像力豊かな作曲家の一人と評されている現代音楽作曲家/コンセプチュアル・アーティスト、ヤコブ・ミュールラッド。彼の最新作となるのは、『天才作家の妻 -40年目の真実-』の監督/製作総指揮を手掛けた、スウェーデンの映画監督ビョルン・ルンゲの最新作『BURN ALL MY LETTERS』のサウンドトラック。
■ 現代音楽シーンで最も想像力豊かな作曲家の一人と評されている現代音楽作曲家/コンセプチュアル・アーティスト、ヤコブ・ミュールラッド(Jacob Muhlrad)。彼の最新作となるのは、チェンバー・アンサンブルによるサウンドトラック『BURN ALL MY LETTERS』である。
■ 『BURN ALL MY LETTERS』は、『天才作家の妻 -40年目の真実-』の監督/製作総指揮を手掛けた、スウェーデンの映画監督ビョルン・ルンゲの最新作である。元々彼の存在をよく知っており、“繊細な感情表現に独特なものをもっている今ヨーロッパで最も興味深い映画製作者の一人”だとみていたミュールラッドは、そのルンゲ監督から連絡が来た時驚いたという。 「彼は私の作品をとてもよく理解しており、自分自身でも気づかなかったことを見ていた。そこに心動かされたんだ」そう語るミュールラッドは、ルンゲ監督に新作映画のサウンドトラックを依頼された時、かつては映画音楽のオファーを断ったことがあったにも関わらず、依頼されたことに栄誉を感じ、快諾したという。
■ スウェーデンの作家Alex Schulmanの小説を原作とした『BURN ALL MY LETTERS』は、作者Schulmanの祖父母の人生に焦点を当てた物語で、1930年代初めの夏に祖母Karinが経験した短くも情熱的な恋愛関係を描いたものである。後に罪の意識で一生彼女を苦しめることになるこの出来事と、そこにまつわる激しいまでの情熱と大きな愛、そして長きに亘りくすぶり続けることとなる暗い怒りなどのありとあらゆる感情をルンゲは、彼の持ち味である繊細な表現で描き出している。そしてミュールラッドは、その細かなニュアンスをより細かに、そしてより鮮やかに彩るためのスコアを作り出した。彼はアコースティックのスコアを制作することに拘り、シンセサイザーを一切使うことなく、すべてアコースティック楽器によって作り上げた。また本作の制作では、新たな音の質感を探求するための余裕もスペースもあり、彼はチューブラー・ベルを水に沈めて叩いたり、サスティーンペダルを踏みながらピアノの弦を押さえつけたり、タイの銅鑼といった異色な楽器を取り入れたりと、様々な音楽的実験を行ったという。 「私の作品の多くは、微分音によるメロディーとコードをベースにしています。これは西洋音楽よりも東洋音楽の伝統に顕著に見られるものですが、非常に興味深い音の層を作り出していると思います」そうミュールラッドは語る。そして実際に完成したのも非常に豊かで雰囲気のある音の階層の上に、ピアノと弦楽器が乗ったスコア作品だ。またそれぞれの楽曲は、物語内の重要な出来事より、登場人物の内面的な世界に沿って作り上げられているという。
■ 人間の内面の葛藤、欲望、後悔を繊細に描いた映画『BURN ALL MY LETTERS』。ミュールラッドのスコアも同様に繊細な緊迫感が漂っている。合唱、室内アンサンブル、オーケストラと幅広く活躍し、最近では演劇のための作曲(Trostrapporter, Royal Dramatic Theatre)も手がけてきた彼が、映画音楽という未知の領域に踏み込んで作り上げた本サウンドトラックは、この若き作曲家にとって見事なサウンドトラック・デビューとなるに違いない。
トラックリスト
01. In Retrospect 02. The Past 03. Aurora 04. Karin's Waltz 05. Fragility 06. Karin's Waltz (Lamentato) 07. The Voice Of Karin 08. The Play 09. Cogitate 10. Tears Of Olof 11. Fragments 12. A Nostalgic Mind 13. Nostalgic Mind II 14. Contiguity 15. Genealogical Tree 16. Stanna 17. Karin's Waltz (Con Passione) 18. The Accident 19. The Constant
現代音楽シーンで最も想像力豊かな作曲家の一人と評されている現代音楽作曲家/コンセプチュアル・アーティスト、ヤコブ・ミュールラッド。彼の最新作となるのは、『天才作家の妻 -40年目の真実-』の監督/製作総指揮を手掛けた、スウェーデンの映画監督ビョルン・ルンゲの最新作『BURN ALL MY LETTERS』のサウンドトラック。
トラックリスト■ 現代音楽シーンで最も想像力豊かな作曲家の一人と評されている現代音楽作曲家/コンセプチュアル・アーティスト、ヤコブ・ミュールラッド(Jacob Muhlrad)。彼の最新作となるのは、チェンバー・アンサンブルによるサウンドトラック『BURN ALL MY LETTERS』である。
■ 『BURN ALL MY LETTERS』は、『天才作家の妻 -40年目の真実-』の監督/製作総指揮を手掛けた、スウェーデンの映画監督ビョルン・ルンゲの最新作である。元々彼の存在をよく知っており、“繊細な感情表現に独特なものをもっている今ヨーロッパで最も興味深い映画製作者の一人”だとみていたミュールラッドは、そのルンゲ監督から連絡が来た時驚いたという。
「彼は私の作品をとてもよく理解しており、自分自身でも気づかなかったことを見ていた。そこに心動かされたんだ」そう語るミュールラッドは、ルンゲ監督に新作映画のサウンドトラックを依頼された時、かつては映画音楽のオファーを断ったことがあったにも関わらず、依頼されたことに栄誉を感じ、快諾したという。
■ スウェーデンの作家Alex Schulmanの小説を原作とした『BURN ALL MY LETTERS』は、作者Schulmanの祖父母の人生に焦点を当てた物語で、1930年代初めの夏に祖母Karinが経験した短くも情熱的な恋愛関係を描いたものである。後に罪の意識で一生彼女を苦しめることになるこの出来事と、そこにまつわる激しいまでの情熱と大きな愛、そして長きに亘りくすぶり続けることとなる暗い怒りなどのありとあらゆる感情をルンゲは、彼の持ち味である繊細な表現で描き出している。そしてミュールラッドは、その細かなニュアンスをより細かに、そしてより鮮やかに彩るためのスコアを作り出した。彼はアコースティックのスコアを制作することに拘り、シンセサイザーを一切使うことなく、すべてアコースティック楽器によって作り上げた。また本作の制作では、新たな音の質感を探求するための余裕もスペースもあり、彼はチューブラー・ベルを水に沈めて叩いたり、サスティーンペダルを踏みながらピアノの弦を押さえつけたり、タイの銅鑼といった異色な楽器を取り入れたりと、様々な音楽的実験を行ったという。
「私の作品の多くは、微分音によるメロディーとコードをベースにしています。これは西洋音楽よりも東洋音楽の伝統に顕著に見られるものですが、非常に興味深い音の層を作り出していると思います」そうミュールラッドは語る。そして実際に完成したのも非常に豊かで雰囲気のある音の階層の上に、ピアノと弦楽器が乗ったスコア作品だ。またそれぞれの楽曲は、物語内の重要な出来事より、登場人物の内面的な世界に沿って作り上げられているという。
■ 人間の内面の葛藤、欲望、後悔を繊細に描いた映画『BURN ALL MY LETTERS』。ミュールラッドのスコアも同様に繊細な緊迫感が漂っている。合唱、室内アンサンブル、オーケストラと幅広く活躍し、最近では演劇のための作曲(Trostrapporter, Royal Dramatic Theatre)も手がけてきた彼が、映画音楽という未知の領域に踏み込んで作り上げた本サウンドトラックは、この若き作曲家にとって見事なサウンドトラック・デビューとなるに違いない。
01. In Retrospect
02. The Past
03. Aurora
04. Karin's Waltz
05. Fragility
06. Karin's Waltz (Lamentato)
07. The Voice Of Karin
08. The Play
09. Cogitate
10. Tears Of Olof
11. Fragments
12. A Nostalgic Mind
13. Nostalgic Mind II
14. Contiguity
15. Genealogical Tree
16. Stanna
17. Karin's Waltz (Con Passione)
18. The Accident
19. The Constant