【日本音楽史の空白を埋めるCD】『日本のシンフォニストたち 幻の交響作品と新たな創造』水野修孝の交響曲第5番世界初演・芥川也寸志、黛敏郎、三木稔、鹿野草平の初音盤化を一挙収録■注目ポイント(1) 88歳の作曲家による交響曲第5番と、62年間封印された巨大編成交響曲水野修孝が88歳(作曲当時)で書き下ろした交響曲第5番(2022)を委嘱初演として収録。ジャズのエネルギーと大音量のカオスが炸裂する圧倒的作品です。また、テナートロンボーン4本・チューバ2本・ピアノ2台・ティンパニ6台、クラヴィオリンという常軌を逸した編成のため62年間も演奏されなかった三木稔の交響曲「除夜」(1960)がついに世界初演。オーケストラの全力が巨匠のスコアと激突します。(2) 芥川也寸志・黛敏郎の幻の傑作が初の音盤化芥川也寸志が「ヤマハ・エレクトーンGX-1」のために書いた「GX CONCERTO」(竹蓋彩花ソロ)、黛敏郎の絶筆「パッサカリア」(1997)、黛編曲による「君が代」が、いずれも初めて音盤化されます。(3) 鹿野草平、交響曲第2番《霊嘯の音響包囲》委嘱世界初演2024年公演では、舞台上から客席の四隅に至るまで管弦楽を360度配置するという空前の試みを実現。ホール空間ごとの音響設計をした鹿野草平の交響曲第2番が、世界初演として収録されました。(4) 伊福部昭・團伊玖磨・和田薫の名作も収録伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、團伊玖磨「交響曲第1番 イ調」「祝典行進曲(管弦楽版)」、和田薫「MATSURI!」(アニメ「パズドラ」より・コンサート版初演)を収録。日本の交響楽の幅広い歴史と現在が、この2枚に凝縮されています。
DISC 1:2022年12月3日(土)なかのZERO大ホール1. 黛敏郎 編曲 日本国歌「君が代」2. 黛敏郎 パッサカリア (遺作・1997)3. 芥川也寸志 GX CONCERTO (1974)4. 三木稔 交響曲「除夜」 (1960) 世界初演5-8. 水野修孝 交響曲第5番(2022) 委嘱初演DISC 2:2024年10月19日(土)練馬文化センター大ホール1. 團伊玖磨 祝典行進曲(管弦楽版・1959/1976)2. 團伊玖磨 交響曲第1番 イ調 (1949/1957)3-5. 伊福部昭 シンフォニア・タプカーラ (1954/1979)6.和田薫 MATSURI! (アニメ「パズドラ」より) コンサート版初演7.鹿野草平 交響曲第2番《霊囁の音響包囲》(2024) 委嘱初演■Disc 1:幻の交響作品と新たな創造(2022年12月3日公演)結成10周年を記念したこの日は、演奏不可能とされた絶滅危惧の傑作群を現代に蘇らせた。コロナ禍を超えて、新たな未来への希望を音楽で奏でようとした。黛敏郎:パッサカリア / 国歌「君が代」(黛敏郎編曲)1997年、黛敏郎が亡くなる直前まで筆を握っていた未完の絶筆。クラシックの名曲が走馬灯のように現れては消え、音楽が最大の高潮を迎えたその瞬間に、音は唐突に途切れる。死期を悟った作曲家の痛烈な皮肉か、未来への問いかけか。併せて収録された「君が代」は、雅楽的な音響美のなかに、永々と受け継がれる平和と安寧への祈りが込められている。芥川也寸志:GX CONCERTO1975年、巨大な電子楽器の最高峰「ヤマハ・エレクトーンGX-1」のために書かれた幻の協奏曲。ロックでプログレッシブな芥川也寸志の魅力が爆発するこの曲は、半世紀の時を経て、最新のエレクトーンEL-02Xの広大な可能性とともに、新たな響きとして蘇った。三木稔:交響曲「除夜」テナートロンボーン4本、チューバ2本、ピアノ2台、そしてティンパニ6台。コンクールの規定を完全に無視し、作曲者が自らの求める「衝撃の響き」のためだけに書いた常軌を逸した編成。ゆえに62年間も眠り続けた幻の交響曲が、108回の除夜の鐘とともに煩悩を打ち砕き、ついに世界初演の産声を上げた。水野修孝:交響曲第5番88歳を迎えた作曲家が書き下ろした最新の交響曲。ジャズやロックの大音量とエネルギーが渦巻き、大トゥッティ(全奏)で奏でられる圧倒的な生命力は、年齢という概念を吹き飛ばす。鹿■Disc 2:日本の交響曲作家と空間の革新(2024年10月19日公演)練馬文化センター大ホールに鳴り響いた、日本の交響曲の原点と、空間の常識を打ち破る挑戦に迫る記録である。團伊玖磨:祝典行進曲(管弦楽版)1959年、皇太子殿下と美智子妃殿下(現在の上皇上皇后両陛下)の御成婚を記念して作曲された。旧軍楽隊の作法を一切用いず、「鉄兜よさようなら、軍靴よさようなら、青空よこんにちは」と心のなかで歌いながら書かれた。気品と優雅さに満ちた、真の平和の時代の行進曲である。團伊玖磨:交響曲第1番イ調25歳にしてNHK放送25周年記念の管弦楽コンクールで特賞(1位)を得た、歴史的なデビュー作。伝統的な4楽章(形式美、抒情性、スケルツォ、ダイナミズム)の要素を、たった一つの大きな流れのなかに絵巻物のごとく包括した、恐るべき完成度を誇る。伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ映画『ゴジラ』公開と同年の1954年に完成した、伊福部昭にとって唯一の交響曲。「タプカーラ」とはアイヌ語で「立って踊る」という意味であり、アイヌの人々と過ごした記憶や自然への共感が込められている。熱狂的な繰り返しによってトランス状態に至り、最後は狂熱の踊りへと昇華する。和田薫:MATSURI!(アニメ「パズドラ」より)現代音楽からアニメ音楽まで幅広く活躍する和田薫による、爽快で和テイスト溢れる楽曲。サウンドトラックであった本作を、コンサート用に編曲し舞台初演。オーケストラによる大迫力の「祭り」が、空間を祝祭のエネルギーで満たす。鹿野草平:交響曲第2番《霊囁の音響包囲》管弦楽の大半を客席に移動させ、聴衆を取り囲むという空間配置を採用した「怪奇音楽」。霊の囁きや叫びが四方八方から襲い掛かる。作曲者自身が長年培ってきたオーケストレーションの「カタ(慣れ)」を一旦解体し、タテのアンサンブルが揃いにくいことを逆手に取って、音像のブレ、多重化を設計した野心作である。
【日本音楽史の空白を埋めるCD】
トラックリスト『日本のシンフォニストたち 幻の交響作品と新たな創造』
水野修孝の交響曲第5番世界初演・芥川也寸志、黛敏郎、三木稔、鹿野草平の初音盤化を一挙収録
■注目ポイント
(1) 88歳の作曲家による交響曲第5番と、62年間封印された巨大編成交響曲
水野修孝が88歳(作曲当時)で書き下ろした交響曲第5番(2022)を委嘱初演として収録。ジャズのエネルギーと大音量のカオスが炸裂する圧倒的作品です。また、テナートロンボーン4本・チューバ2本・ピアノ2台・ティンパニ6台、クラヴィオリンという常軌を逸した編成のため62年間も演奏されなかった三木稔の交響曲「除夜」(1960)がついに世界初演。オーケストラの全力が巨匠のスコアと激突します。
(2) 芥川也寸志・黛敏郎の幻の傑作が初の音盤化
芥川也寸志が「ヤマハ・エレクトーンGX-1」のために書いた「GX CONCERTO」(竹蓋彩花ソロ)、黛敏郎の絶筆「パッサカリア」(1997)、黛編曲による「君が代」が、いずれも初めて音盤化されます。
(3) 鹿野草平、交響曲第2番《霊嘯の音響包囲》委嘱世界初演
2024年公演では、舞台上から客席の四隅に至るまで管弦楽を360度配置するという空前の試みを実現。ホール空間ごとの音響設計をした鹿野草平の交響曲第2番が、世界初演として収録されました。
(4) 伊福部昭・團伊玖磨・和田薫の名作も収録
伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、團伊玖磨「交響曲第1番 イ調」「祝典行進曲(管弦楽版)」、和田薫「MATSURI!」(アニメ「パズドラ」より・コンサート版初演)を収録。日本の交響楽の幅広い歴史と現在が、この2枚に凝縮されています。
DISC 1:2022年12月3日(土)なかのZERO大ホール
1. 黛敏郎 編曲 日本国歌「君が代」
2. 黛敏郎 パッサカリア (遺作・1997)
3. 芥川也寸志 GX CONCERTO (1974)
4. 三木稔 交響曲「除夜」 (1960) 世界初演
5-8. 水野修孝 交響曲第5番(2022) 委嘱初演
DISC 2:2024年10月19日(土)練馬文化センター大ホール
1. 團伊玖磨 祝典行進曲(管弦楽版・1959/1976)
2. 團伊玖磨 交響曲第1番 イ調 (1949/1957)
3-5. 伊福部昭 シンフォニア・タプカーラ (1954/1979)
6.和田薫 MATSURI! (アニメ「パズドラ」より) コンサート版初演
7.鹿野草平 交響曲第2番《霊囁の音響包囲》(2024) 委嘱初演
■Disc 1:幻の交響作品と新たな創造(2022年12月3日公演)
結成10周年を記念したこの日は、演奏不可能とされた絶滅危惧の傑作群を現代に蘇らせた。
コロナ禍を超えて、新たな未来への希望を音楽で奏でようとした。
黛敏郎:パッサカリア / 国歌「君が代」(黛敏郎編曲)
1997年、黛敏郎が亡くなる直前まで筆を握っていた未完の絶筆。クラシックの名曲が走馬灯のように現れては消え、音楽が最大の高潮を迎えたその瞬間に、音は唐突に途切れる。死期を悟った作曲家の痛烈な皮肉か、未来への問いかけか。併せて収録された「君が代」は、雅楽的な音響美のなかに、永々と受け継がれる平和と安寧への祈りが込められている。
芥川也寸志:GX CONCERTO
1975年、巨大な電子楽器の最高峰「ヤマハ・エレクトーンGX-1」のために書かれた幻の協奏曲。ロックでプログレッシブな芥川也寸志の魅力が爆発するこの曲は、半世紀の時を経て、最新のエレクトーンEL-02Xの広大な可能性とともに、新たな響きとして蘇った。
三木稔:交響曲「除夜」
テナートロンボーン4本、チューバ2本、ピアノ2台、そしてティンパニ6台。コンクールの規定を完全に無視し、作曲者が自らの求める「衝撃の響き」のためだけに書いた常軌を逸した編成。ゆえに62年間も眠り続けた幻の交響曲が、108回の除夜の鐘とともに煩悩を打ち砕き、ついに世界初演の産声を上げた。
水野修孝:交響曲第5番
88歳を迎えた作曲家が書き下ろした最新の交響曲。ジャズやロックの大音量とエネルギーが渦巻き、大トゥッティ(全奏)で奏でられる圧倒的な生命力は、年齢という概念を吹き飛ばす。鹿
■Disc 2:日本の交響曲作家と空間の革新(2024年10月19日公演)練馬文化センター大ホールに鳴り響いた、日本の交響曲の原点と、空間の常識を打ち破る挑戦に迫る記録である。
團伊玖磨:祝典行進曲(管弦楽版)
1959年、皇太子殿下と美智子妃殿下(現在の上皇上皇后両陛下)の御成婚を記念して作曲された。旧軍楽隊の作法を一切用いず、「鉄兜よさようなら、軍靴よさようなら、青空よこんにちは」と心のなかで歌いながら書かれた。気品と優雅さに満ちた、真の平和の時代の行進曲である。
團伊玖磨:交響曲第1番イ調
25歳にしてNHK放送25周年記念の管弦楽コンクールで特賞(1位)を得た、歴史的なデビュー作。伝統的な4楽章(形式美、抒情性、スケルツォ、ダイナミズム)の要素を、たった一つの大きな流れのなかに絵巻物のごとく包括した、恐るべき完成度を誇る。
伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ
映画『ゴジラ』公開と同年の1954年に完成した、伊福部昭にとって唯一の交響曲。「タプカーラ」とはアイヌ語で「立って踊る」という意味であり、アイヌの人々と過ごした記憶や自然への共感が込められている。熱狂的な繰り返しによってトランス状態に至り、最後は狂熱の踊りへと昇華する。
和田薫:MATSURI!(アニメ「パズドラ」より)
現代音楽からアニメ音楽まで幅広く活躍する和田薫による、爽快で和テイスト溢れる楽曲。サウンドトラックであった本作を、コンサート用に編曲し舞台初演。オーケストラによる大迫力の「祭り」が、空間を祝祭のエネルギーで満たす。
鹿野草平:交響曲第2番《霊囁の音響包囲》
管弦楽の大半を客席に移動させ、聴衆を取り囲むという空間配置を採用した「怪奇音楽」。霊の囁きや叫びが四方八方から襲い掛かる。作曲者自身が長年培ってきたオーケストレーションの「カタ(慣れ)」を一旦解体し、タテのアンサンブルが揃いにくいことを逆手に取って、音像のブレ、多重化を設計した野心作である。